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2018年2月 4日 (日)

お医者さん

サビーヌ・シコー (1913 - 1928)

お医者さん誰か一人?先ず美男子であること!

とっても良い男。堂々とした男っぷりでなく

若くて、健康的で、気が利いて、幸福そうなこと!

外から話しかける声も、そんなに大声でなく

でも彼と一緒に太陽が入って来るのに十分な大きさ

笑いを知っている人 - 退屈なときは

部屋の四隅であくびをする -

そしてお前を笑わせられること、お前、

あんなに痛みと十二月病で苦しんでいるお前を。

灰色の十二月、灰色の十二月、失われたクリスマス

鉛色と灰色の空の下

医者は知っていなければならない、

どこからこの灰色の死人が降りて来るのかを。

夜や悪魔じみた発熱を打ち負かすため

医者は明るくなければならない -

待ち望まれた言葉を語り

或いはその唇に読み取らせねばならない

彼は陽気で健康でなければならない、

(病状がやがて安定する日を、四肢が自由になったり、苦労の無い楽々とした精神というものを、信じる必要は無いのだろうか?)

彼は健康でなければならない、

強くなければならない - 横柄なところ無しで

穏やかに運命と立ち向かい

私たちを深く信頼していなければならない!

私の愛するものを愛すべきこと - 彼にはこうした

全てを理解する術が必要だ

そして彼には私の興味を引くことに、

遠くからでなく、近しい友人として

興味をもって欲しい。

彼が善良であります様に - 私たちの反抗とか弱さを受容してくれる、優しい心の広さを持っていますように。

学識?それはあるでしょ、疑いも無く。

もし彼が私の言った、要求した通りの人なら。

でもこんな要求をするなんて、ご存知でしょう、

何もできない連中に奇跡を求めるのと同じ!

学位保持者の中で誰が

病人の願う医師像に似ているのか!

誰がこのしつこい、厚ぼったい、無愛想な灰色の中で

目を閉じた私が見る方なのだろう

だからここで反対の人物像を採用してみよう、

脚の曲がった、怒りっぽく、動きの鈍い惨めな男

案山子の効果判定の様に

治療に効果があるのか動揺し

既知未知を問わず最悪の病気なので

彼には治癒不能に思われる!

青白い年寄り医者を取り上げてみよう、頭はつるつるが良い

目は赤く濁り唇はひび割れ

地上に彼より不安定で、醜く渋い顔をした

生命体は存在しない様に見える

毎朝開きかけた花々越しに彼を見つけると

試合の様に私たちは思うことだるう

ホッとして、気が軽くなり、彼と比べれば

私たちの方がましなのに少し誇らしく、

「あの男、せめて学識でも無いと暮らしていけないわ」

Sabine Sicaud (1913 - 1928)

Un medecin

英語なら a doctor ですから、誰か一人お医者さんを選ぶならといった意味が含まれます。14~15歳の少女にしては観察力が鋭いですね。自分自身を客体化して「お前」と呼び掛けるとき、呼び掛けるサビーヌはどこにいるのでしょう。

ただこうまで子供らしい我がままぶりと頭の良さが結びつくと、小生意気なガキめと感じてしまったりします。

協調性の無さと言いますか、見ず知らずの他人と摩擦を減らしてうまくやって行く能力の不足は学校に通わず家庭教師に勉強を見てもらっていたせいも有るのでしょう。

他人をおだてたり自分がへり下ったり我欲を抑えたりする、いわゆる世渡りを知らずに済んだサビーヌをフランスの評論家は純粋とか天真爛漫 (pure, ingenue)とか形容しています。でもまあ日本基準から言えば、可愛げの無い神妙さの欠けた娘さんではあった様です。

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