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2018年1月13日 (土)

西への道

サビーヌ・シコー (1913 - 1928)

西への大道よ、君等は誰のために作られたのか?

自由の道と見なされてはいるが

きっと嘘なのだろうが.........。

ポポカットペルト山(1)の出現した空間、

黒いセコイア樹が奇妙な道を取巻くところ、

動植物相があんなにも広大に空を所有しているので

人間はもう何階に暮らしているのか分からない。

自由の道を我々は自由だと仮定する。

パンパスを横切り手綱無しの私の馬は走る、

しかし巨大都市は火の網を持ち

あらゆる人種からなる若者たちは彼等の投網や彼等の壁、彼等の父たちや神々を持っている。

サーガッソ海(2)の「トロワ・プンタ」、

南アメリカ北アメリカ、人間を自由にしまた奴隷にする金羊毛の、金鉱の、黄金の国々、

南極風は抑制を多分無視し、北方の鷲を、猟師の罠をも気にせず.....。

しかし、あゝ私の自由よ、姉妹よりも大事な

お前が住むのは私の中なのだ、静謐にそしてさすらうこと無く、

他方、道はあまた地球を回っている。

Sabine Sicaud (1913 - 1928)

Chemins de l'ouest

(1)メキシコの火山。海抜5462メートル。

(2)帆船時代「魔の海」と恐れられたカリブ海の一部。風が吹かず、繁茂する海藻に絡め取られて船足が止まると言われる。

道シリーズの一編。サビーヌが空想で旅をした記憶です。地図帳や世界地理の本を見ながら空想の翼を広げたのでしょう。「自由の道というのは嘘」と言い切っているあたり並みの子供ではありません。なお道には複数形が使われています。

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