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2018年1月

2018年1月23日 (火)

盲目の斑点

ウラ・ハーン (1946 - )

私たちこんなに違うから一緒にいられるの

あんたはあっちあたしはここ、あたしたち別々の車線

あんたの「こうだった」とあたしの「まだあゝなるかも知れない」

盲目の斑点が二つ現在の中にある

二人は夢見る人間だと、もう分かっているなら

現在は目覚めの前の夢のようなもの

二人がそれぞれこことあそこに戻るまで

現在は一時あたしたちと共に風の中で戯れる

Ulla Hahn (1946 - )

Blinde Flecken

冬の歌

ウラ・ハーン (1946 - )

今日あなたの家を出たとき

初雪が降っていた

そして私は韻律づくりに

頭を痛めていた

目が涙で一杯なのは

寒さのせいではなく

韻を踏まない

何かのせいだった

ああ、私が呼んだとき

あなたはもう遠ざかっていて

それで私は問うた、先夜誰があなたの

韻の中に眠ったのかと

Ulla Hahn (1946 - )

Winterlied

ザールラント州生まれの女性詩人。ungereimtには「韻を踏まない」と「しっくりしない」の二つの意味があります。

詩作の問題、寒さ、しっくり行かなくなった男女関係が絡まって女性的な良い詩になっていると思います。

2018年1月13日 (土)

西への道

サビーヌ・シコー (1913 - 1928)

西への大道よ、君等は誰のために作られたのか?

自由の道と見なされてはいるが

きっと嘘なのだろうが.........。

ポポカットペルト山(1)の出現した空間、

黒いセコイア樹が奇妙な道を取巻くところ、

動植物相があんなにも広大に空を所有しているので

人間はもう何階に暮らしているのか分からない。

自由の道を我々は自由だと仮定する。

パンパスを横切り手綱無しの私の馬は走る、

しかし巨大都市は火の網を持ち

あらゆる人種からなる若者たちは彼等の投網や彼等の壁、彼等の父たちや神々を持っている。

サーガッソ海(2)の「トロワ・プンタ」、

南アメリカ北アメリカ、人間を自由にしまた奴隷にする金羊毛の、金鉱の、黄金の国々、

南極風は抑制を多分無視し、北方の鷲を、猟師の罠をも気にせず.....。

しかし、あゝ私の自由よ、姉妹よりも大事な

お前が住むのは私の中なのだ、静謐にそしてさすらうこと無く、

他方、道はあまた地球を回っている。

Sabine Sicaud (1913 - 1928)

Chemins de l'ouest

(1)メキシコの火山。海抜5462メートル。

(2)帆船時代「魔の海」と恐れられたカリブ海の一部。風が吹かず、繁茂する海藻に絡め取られて船足が止まると言われる。

道シリーズの一編。サビーヌが空想で旅をした記憶です。地図帳や世界地理の本を見ながら空想の翼を広げたのでしょう。「自由の道というのは嘘」と言い切っているあたり並みの子供ではありません。なお道には複数形が使われています。

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