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2017年10月11日 (水)

診察にいらしたお医者様方へ

サビーヌ・シコー  (1913 - 1928)



「もうできません。もう無理です。見れば分かるでしょうに......。

わたしこれだけしか出来ない。

先生方は私を診察する、でも何もなさらない。

先生方は今日も、何度も前にそうだったのと同じね、私は頑張れるし病気と闘うべきだとおっしゃる。

ご存じないの。私貧弱だけど全力を出しました、わたし。

乏しいけれど勇気を奮いました。でも今私の手に残ったのは努力中折れ、努力騙され。これがどれ程重荷になっているか、知っていて下されば!

何故理解なさらないの?オリーブの林の中で

ナザレのイエズスは泣いた、でも私の落ちた闇の方が彼を取り巻いたのより、もっともっと重いわ。

黒い、みんな醜い、惨め、反吐が出そう、不吉........。

先生方は軽い気持ちで私に微笑むけど無駄よ。だれが頼りになんかするものですか。

明日になればと約束なさるけど、仕草もヘマなら声も嘘声です。明日ですって!救いの手が要るのは今なの、すぐよ。

もう限界......。

耐えられのはこれが全て。これでみんな。

もう駄目。もう無理。もう望まない.......。

私が限界だということを、先生方は無情にも理解できなかったし、理解しようともしなかった。

放置された私、自分の苦しみを自分で苦しんだ。

せめて.........雷に撃たれるみたいに死なせて。

ナイフの一突きでも良い。殴り殺されるのも良い。

眠るように永遠に眠れるファキールの毒はどう?金緑色の。

こんなに苦しんで、夜も昼もこんなに苦しんで、

だから痛みが忘れられるなら、何でもい。」

Sabine Sicaud (1913 - 1928)

Aux medecins qui viennent me voir

サビーヌの死後30年が経った1958年、彼女の未刊行の作品を中心とした『サビーヌ・シコー詩集』が出版されました。彼女の母親と一家とも親しかった文芸評論家フランソワ・ミルピエールの二人が中心になって原稿を整えたものです。

詩集は3部に分かれ、全部で52篇、うち40篇の初出作品を含みます。(1)「子供時代の詩」14篇(2)「道シリーズ」18篇(3)病の苦痛を訴える「痛みよ、私はお前を憎む」12篇(4)ノートに残された未完成の詩稿から成ります。

没後詩集の出版を契機にようやく彼女の作品が注目される様になり、様々なインターネットサイトにも取り上げられています。フランス語の読める方であれば簡単に情報が得られます。

私がサビーヌを知ったのはアマゾンのKindle版フランス名詩選「フランスの名詩一万篇 Collection de poemes; les 10,000 meilleurs ..........」によってでした。わずか15歳でこの世を去り、しかも名詩選に採録される様な質の高い作品を残し、肉体の苦痛というこれ迄軽視されてきた主題に正面から取り組んだ少女詩人がいたのを初めて知りました。

もっと広く知られても良い詩人です。

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