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2016年9月10日 (土)

 怠け者

M.A.サン・タマン

無精と憂鬱に 打ちのめされて

夢見る私は 床の中 まるでベッドの付属品

パテに入ってる骨無しの 野兎同然

或いは鈍い狂気の最中のドンキホーテ 

ここならば イタリア戦役問題も

パラティノ伯や伯爵領問題も 気にかけず

ひたすら捧げる 怠惰への麗しき賛歌

物憂さの中 まるで埋葬された 僕の魂

この楽しみは甘く素敵だ

寝ているうちに 一財産が身に付くかも

だって腹の周りに 脂が付いたんだから

仕事は大嫌いだ だから薄目を開けて

片手を毛布の外に出し ボードワン君よ

気力を奮って 何とかこの詩を書いたのさ

Marc Antoine de Saint-Amant  1594 - 1661

"Le Paresseux"

 

 

作者はルーアンの新教徒廻船問屋の家に生まれました。自由奔放な暮らしを送ったリベルタンの仲間で当然お堅いベルサイユ宮廷からは冷遇異端視されました。この詩からも、能力を認められず本来あるべき地位に就けなかった才人の悲哀と世を拗ねむ感情が読み取れて、サラリーマンなら納得してくれるでしょう。作中の男はふさわしい地位さえ与えられれば、イタリア戦役なりパラティーノ伯爵領交渉なりで大活躍していた筈なのです。怠け者とはだから斜に構えたポーズなのです。

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